病気のお話

検診だけではなく病院での聞こえの検査は大切です

受以前から聞こえが悪いから調べても「年のせい」と言われるから受診してするのも嫌、あるいは仕事が忙しくて1か月前からどうも聞こえの調子が悪いけど受診できなかった、という方がいらっしゃいます。 院長も「老人性」とか「加齢性」という言葉でひとくくりにするのは抵抗があるのですが、「病院での聞こえの検査」の意味って知っているようで知りませんよね。

下の図は「純音聴力検査」といって、耳鼻科でおこなう聞こえの検査(静かな部屋でピーッという音がしたらボタンを押す検査)によって日本人の聴力の変化を調べた結果です(立木ら 2002)。小学校の時や職場の検診でもおこないますが、その際は1kHz(キロヘルツ)と4kHzといった一定の高さの音を30dB(デシベル)といった一定の音の大きさで聞こえるか聞こえないか調べるだけのことが多いです。

加齢によって生じる聴力低下は誰にでも起こりえる現象ですが、体力が低下してくるのと同じように、聴力が低下しはじめる時期やその程度には、個人差があります。大切なのは自分の状態を正確に把握して対処するってことですよね。

オージオグラム

一般的にはまず高音域から聞こえにくくなり、左右の聴力は同じレベルで低下していきます。

しかし、図の左側・比較的周波数の低い「あ、 い、う、え、お」といった母音については、それほど聞き取る力が低下しないので、ご自身ではあまり聞こえにくいと感じないようです。このため、本人よりも 周りの方が先に気づくことが多いといわれています。

このような聴力のタイプによって、補聴器がよい方もいれば、すぐにお薬をのんだほうがよい方もいらっしゃいます。お気軽に当院にご相談ください。

 

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