病気のお話

こどもの鼻水とゼーゼー 鼻カゼ?

3歳以下の乳幼児のゼーゼーの原因として、最近、鼻かぜウイルス(ライノウイルス)との関連性が一般的に知られるようになってきました。

ゼーゼーの原因のウイルスとしては、ライノウイルスが48%、RSウイルスが21%、パラインフルエンザウイルスが12%、メタニューモウイルスが7%と報告されています。(Jackson DJ 2008)

そのうちライノウイルスは、鼻水を主症状とする感冒の原因ウイルスで、現在まで101種類の血清型が報告されています。潜伏期間は2~3日間で、2~7日間ウイルスの排出があり感染性が持続します。 一般的にウイルスは、咳(せき)やくしゃみによる飛まつ感染と、手を介して鼻を触ったり目をこすったりして感染する接触感染があります。

くびの腫れは場所によって原因となる疾患が異なる  ウイルス感染に伴い炎症のため気管支が狭くなり、夜半のゼーゼーが長く続く(長い場合は2~3週間)のが特徴です。鼻水が喉(のど)の奥に流れて溜まる後鼻漏(こうびろう)の場合には、夜間寝てからしばらく咳が続いたり、朝起きてから咳きこむことがあります。

さて、治療なのですが、実際にはライノウイルスに特異的に効く薬はありません。夜半すぎのゼーゼーの場合、ロイコトリエン拮抗(きっこう)剤の内服と長時間作動型の気管支拡張剤の使用により症状が軽減します。

後鼻漏に伴う咳が考えられる場合には、鼻周囲の副鼻腔(ふくびくう)からの鼻水の排出をうながす薬を用います。鼻閉が強い場合には、鼻の粘膜のむくみを抑える薬を処方します。

身の回り品についたライノウイルスは24時間感染性を保ち、鼻を触ったり目をこすったりする動作で感染します。やはり手をよく洗うことが予防のために有効なのです。

鼻かぜのたびに夜にゼーゼーが続くのは本当に大変なのですが、成長とともに徐々にゼーゼーしなくなっていきます。それまでの間こどもたちのためにできることを、いっしょに考えていきましょう。

 

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